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加納朋子『我ら荒野の七重奏』(集英社、2016)【ネタバレ注意】 [本と雑誌]

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評判の高い新刊なのだけど、なじめなかった。理由は三つ。
・説明になってしまっていること。
・最後の設定(ちょうどぴったりな曲が見つかること)が都合よすぎること。
・音楽(楽曲)に対する思い入れが感じられないこと。

お芝居でいうと、役者さんの台詞や動作で表現してほしいことを、ト書きで一から十まで説明されている感じ。うん説明はわかったから、それで何がどうなるのかと期待して待っていると、説明だけで終わってしまう。説明を全部取り去ってしまって、台詞だけ残しておいても伝わらないものだろうか。そこを伝わるように書くのが作家の力量というものではないかと。

小説なので、どのような設定でも別にかまわないのだけど、弦楽四重奏ならともかく、木管七重奏の曲がそう都合よく転がっているわけがないでしょう。結局、設定が無理だと読者が共感できないので、小説の魅力を損なってしまうことになる。残念。

息子の演奏に涙を流す母親が何度も描かれるのだけど、それがどんな曲なのかほとんど描かれていないので、共感できない。ファゴットのソロはどんなメロディーでどのくらい続くのか?ホルンやクラリネットはどうしているのか?そもそも短調なのか長調なのか?ほとんどわからない。これでは、やはり思い入れの余地がない。音楽の解説書ではないので曲の内容に深入りする必要はないにしても、どんな曲をどんなふうに演奏しているのかわからないのは、吹奏楽を題材にした小説としては、やはり物足りない。


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