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番町句会(12/12) [俳句]

(選句用紙から)

プラタナスの落葉でんぐり返つては

季題「落葉」で冬。落葉が「でんぐり返る」が一句の眼目で、横方向に(風で)転げていくのでなく、縦方向に音を立てながら裏返り裏返りしていくというのだ。あまり小さな木の葉だとよくわからないのだろうけど、ちょっと粗雑なまでに大きな(巨大なカエデのような)プラタナスの葉が、音を立てて動いている様子が面白く想像される。

強霜(こはじも)や柊の葉の刺の先

季題「霜」で冬。「深霜」とか「強霜」というと、一夜明けた寒さが一層強調されているように感じられるのだけど、それがグランドとか草原とかではなく、柊の葉の「刺の先」におりているというのだ。その僅かな、点のような場所に、「強霜」のわずかな結晶が結んでいるさまが、詠み手から読み手に緊張感を伴って伝わってくる。

(句帳から)

日が暮れて冬の虹すぐ終はりけり
冬帽子かむりしままに居眠りを
北風のまま青空のまま日暮
雪雲の不意に途切れて最後尾

第80回深夜句会(12/11) [俳句]

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「マメヒコ」で腹ごしらえをしながら7句。いつものサンドイッチにかえて、きょうは円パンとバターでおなかいっぱい。

(選句用紙から)

日記など書かぬ男が日記買ふ

季題「日記買ふ」で冬(12月)。作者自解によれば「自の句」とのことだが、自分の父親とか兄弟の様子を、おかしさと親しみを伴って描いているようにも見える。

湯豆腐や兄が女になり帰郷

季題「湯豆腐」で冬。この句の面白さは、中七下五の奇抜な風景が、湯豆腐という季題とちゃんとつりあっていて、湯豆腐という料理の所在なさをよく表しているところ。石原八束の「湯豆腐やいとぐち何もなかりけり」という句を連想するのだけど、わいわい言いながらつつく鴨鍋とかねぎま鍋だったらこういう俳句にはならない。弟と父と母はこの現実に何をどう話せばいいのかわからぬまま、もうカラになりかけた湯豆腐の鍋をはさんで座っているのだ。

(句帳から)

沈船の位置が海図に冬の凪
堰き止めてゐたかのやうに木の葉雨


イギリスのお葬式の音楽 [音楽]

テレグラフ紙のサイトに載っているこの調査は、イギリスの大手葬儀社が、3万件以上の葬儀から「故人を偲んで演奏された(歌われた)音楽」を調べたものだという。

1. Always Look on the Bright Side of Life
 (Eric Idle- From Monty Python's 1983 film "Meaning of Life")
2. The Lord is My Shepherd
 (讃美歌「主は私の羊飼い」)
3. Abide with Me
 (讃美歌「日暮れて四方は暗く」)
4. "Match of the Day" theme
 (Theme from BBC football news)
5. My Way
 (Frank Sinatra)
6. All Things Bright and Beautiful
 (英国国教会の讃美歌。モンティ・パイソンにはそのパロディ"All things dull and Ugly"もあるのだけど…)
7. Angels
 (Robbie Williams)
8. Enigma Variations- Nimrod
 (エルガー「エニグマ変奏曲」から第9変奏「ニムロッド」)
9. You'll Never Walk Alone
 (Gerry and the Pacemakers- Adopted by fans of Liverpool FC and Celtic)
10. Soul Limbo (Cricket Theme)
 (Booker T. & the MG's/ Theme from BBC Cricket)

以下、11位にはパッヘルベルのカノン、13位にはコメディ「Only Fools and Horses」のテーマ、15位にはヴィヴァルディの「四季」、17位にはドラマ「コロネーションストリート」のテーマ、19位にはラグビーアンセム「ワールド・イン・ユニオン」、20位には同順位でプッチーニの「誰も寝てはならぬ」とアルビノーニのアダージョが入っている。さらにジャンル別のベスト10または20が載っていて、ポップス・ロック・オールディーズ部門にEva Cassidyが2曲も入っているのが目をひく。それに対してビートルズやクイーンが1曲も入っていないのが不思議。

イギリスで葬儀に参列したことはないけれど、このリストを眺めていると、いかにもイギリスらしいなぁと思う。それはどういうことなのかと(少々くどく)いえば、「ほどよく何でもありで、狭量じゃないこと」「力が抜けてること」「曲想が明るいこと」の3つだと思う。1位がいきなりモンティ・パイソンというのにも驚くし、BBCの"Match of the Day"やクリケット中継のテーマなんて、およそ荘重でも厳粛でもない曲なのだけど、故人がフットボールが(クリケットが)好きだとお葬式でこういう曲が演奏できたり歌ったりできる風土って、なかなかいいのではないかと。

じゃあ自分の葬式だったら何をリクエストしたいかというと、この10曲から選べというのであれば、Abide with Meでしょう。ニムロッドもいいなあ。




唱詠晩禱 降臨節第一主日礼拝(11/30) [音楽]

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イギリスおたくのはしくれとして、国教会の大事な行事を見学させていただくのは有難いことで、信者さんたちの邪魔にならないよう礼拝堂の隅っこに。
前奏はバッハのBWV639「いざ来たれ異教徒の救い主よ」。

司祭の説教は大要以下のとおりだが、メモをとっていないので間違っている可能性あり。

・教会ではクリスマスを迎えるための4週間の、そのはじまりを1年のはじまりととらえる
・だからその前の11月を1年の終わり、人間の一生の終わりとみなす
・なので、11月のはじめに諸聖徒の日all saint's dayがある(万霊節all souls dayもそうですね)
(ここで司祭は「世間ではハロウィンといってただ騒いでいるようですが…」と苦笑されていた。広告代理店のみなさんわかりましたか…ってそういう自分もよくわかっていないのだけど。)
・きょうの第二日課「マタイによる福音書」25章のメッセージは、「あらかじめ整える」ということ。
東日本大震災でたくさんの方が東京へ避難し、体育館や学校などに滞在することになった。そこへ温かい食事を届けようと考えたが、数多くの食事をいちどきに作ったことはそれまでなかったので、逡巡しつつ(前任地の教会の)信者さんに声をかけたら、その教会では毎週炊き出しを実施していたこともあってか、たくさんの方が即座に反応し、行動してくれた。いつどのような形であなたが必要とされるか、予め示されているわけではない。「さあ今だ!」となったときにいつでも、またどのようにでも反応できるようにしておくことが必要だ。

そんな話をお聞きし、アンセム、使徒信経、主の祈り、応唱、特禱、祝禱と続いたあとで聖歌「起きよ夜は明けぬ」(みなさんきちんと歌えるのですね。すばらしい)、そして後奏がBWV645「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」。
BWV645の静かで晴朗な曲想は、きょうの締めくくりにふさわしい。

礼拝のあとですっかり暗くなった中庭へ行ってみると、高さ15メートルを超える巨木が美しいクリスマスツリーになっている。
お商売のクリスマスツリーが「ともかく目立つ」ためのツリーであるのに対して、こちらは信者さんによる、信者さんのためのツリーだからして、飾る側の顕示欲みたいなものは皆無で、控えめであるゆえにたいへん美しいという実例。ツリーの根元を走り回る子供さんがツリーの灯火に浮かびあがって、ファンタジーのような、リンドグレーンの童話のような。

バターがない [雑感]

バターがない。本当に店頭にないんです。
牛乳もチーズもあるのに、いちばん長期保存のきくはずのバターがないんです。
道楽でスコーンやシュトーレン焼く程度の自分は、せいぜい残念がっていればいいのだけど、お菓子やパン作りを生業にされている方にとっては、深刻な事態ではないかと。

国内の酪農は(農水省のご意向で)ひたすら大規模化をめざしてきたのだけど、円安による飼料価格と燃料価格の高騰に直撃された感じ。なにしろ大規模専業なので、他のセグメントにコストをまぶしておくわけにもいかないわけで。
ちょっと見過ごせないのは、その農水省が行った調査結果。

(以下NHK NEWS WEBから(11月19日)から引用)

農林水産省の調査でも、大規模酪農家が苦境に陥っている現状が明らかになっています。
規模を拡大するとある程度まではコスト削減効果が現れますが、牛の数が80頭を超えるまで大きくなると、むしろエサ代や人件費などのコストの上昇が削減効果を上回ってしまうことが分かりました。

(以上引用終了)

今さらそんな…調査を実施した農林水産省様としては、今後どうなさるのかと小一時間。

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