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番町句会(2/12) [俳句]

もう2月。毎日がどんどん過ぎていく。

(選句用紙から)

単線を載せて法面下萌ゆる

法面は「のりめん」と読む。ことばの由来は知らない。今ならコンクリートの高架橋で通すような場所を、土手(築堤)で線路が通っている。土を盛っているので、台風で流されて、レールと枕木が宙づりになったりするのだけど、その土手の斜面に、夏になら草ぼうぼうのところ、いまは一面の枯れ草で、しかしそのところどころから、新しい芽が萌え出ている。土手が「単線を載せている」と捉えた面白さ。しかも、理屈をいえば、単線なので土手の幅が狭く、ぽつんと突き出た感じがより強いのですね。


草萌のここの真下に破砕帯

河原とか野原とか、ともかく草萌の景色を詠んでいるのだけど、その真下に、そういえば破砕帯があるんだった、とこれはまたなんとも不穏な。地上の「草萌」という季題がもつ明るい生命力と、地下の「破砕帯」の暗いまがまがしさとの間にある、巨大な落差。詩というもののひとつのあり方をここに見ることができる。それでもなお、一句の中心は「草萌」にある。

(句帳から)

死に絶へし家のミモザの黄色かな
閉ざされし窓の向うの大試験
隣村との境まで山焼ける
春寒やホームに白い杖の音

第93回深夜句会(1/14) [俳句]

(選句用紙から)

納めたる札に重ねし納札

新しい御札をいただいて、前の御札をお納めするのだけど、その箱に、乱暴に放り込むのではなく、前の人が納めた札の上に重ねて帰ってきた。それだけといえばそれだけのことなんだけど、その動作が「お札を納める」という季題を、十分に、しかしわざとらしくなく表現している。

下萌のつややかにして土かぶる

生まれたばかりの下萌、土をおしのけて出てきた色のつややかさと、その土の色の対比が美しい。

(句帳から)
水鳥を浮べしままに湖暮るる
初御空沖の船まで晴れ渡り
森の木の影絵となつて初茜
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