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映画「しあわせのパン」(2012年日本,三島有紀子監督) [映画]

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『かもめ食堂』『つむじ風食堂の夜』『食堂かたつむり』の三作をたわむれに「食堂三部作」などと(私が)呼んだことがあったが,本作はカフェが舞台でありながら,それらとは少し傾向を異にする作品。

見ているうちにわかってくるのは,人と人との相互作用というか,Aの気持ちがBに影響し,そのBの気持がAに影響し…ということが,実はAにとってもBにとっても自らの成り立ちになっている,というようなこと。あるいは,それぞれに事情をかかえる一人ひとりが,やはり事情をかかえる別の一人から,少しゆらぎのある光を受けることではじめて,自分の形がわかる―その事情自体は解決されないにしても―というような。ちょっと三浦しをんの世界につながるところがあるかも。

これらはむろん,殊更だてて説教くさく示されるのではなく,見ている側が自分で考えるようにできているのだが,少なくとも「おいしいパンとコーヒーが出てくるだけの,広告代理店風のふわふわした話」ではないということ。

というような講釈はさておき,主題歌に使われている矢野顕子の「ひとつだけ」(藪柑子的には「自転車でおいで」と並ぶ名曲!)とも相まって,力強く温くかつ爽快な読後感(ってどんな読後感なんだか意味不明)を保証してくれるすばらしい作品。推奨★★★。
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