So-net無料ブログ作成

マーガレット礼拝堂オルガンレクチャーコンサートシリーズ9「大聖堂の響き〜英国国教会の晩禱〜」 [音楽]

英国国教会の主要な礼拝のうち「晩禱」の歴史や音楽的特質について礼拝堂でレクチャーを受けたのちに、実地にオルガンや聖歌隊といっしょに模擬礼拝を行ってくださるという、イギリスおたくなら震えがとまらない講習会。

st.margaret's chapel.jpg

前半は青山学院大学の湯浅先生による「英国国教会の晩禱」という講義で、晩禱の前にまず英国国教会とは何か、というところからレクチャーが始まる。イギリスを舞台にした小説を読んでいると、コリン・デクスターにしてもコニー・ウィリスにしても、しばしば国教会の礼拝とか音楽が出てくるのだけど、今までなんとなくわかったようなわからないようなもやもやした感じだったいろいろなこと、特にプロテスタント的なものとカトリック的なものがなぜ共存しているのか…などということを教わり、ああそういうことだったのかの連続。

続いてその音楽について講義。早禱と晩禱の聖歌隊の合唱のうち重要な部分は、旧約聖書の「詩篇」を4声のハーモニーで同和音を反復するかたちで唱えられ、この唱法をアングリカン・チャントということ。また合唱のなかでも音楽的に重要なのが、早禱では「テ・デウム」と「ベネディクトゥス」、晩禱では「マニフィカト」と「ヌンク・ディミッティス」で、これらに加えて、礼拝の最初と最後には自由な合唱曲としてアンセムが歌われること…などなど。

休憩をはさんだ後半は模擬礼拝で、湯浅先生が指揮をとり、オルガニストの前奏に続いて聴衆全員でP.ニコライのコラール「たえにうるわしや」を歌うなか、聖歌隊が入場してくる。引き続き唱和→詩篇と進んでいくのだが、中間にはさまれた第一日課と第二日課以外は、使徒信経→主の祈り→応唱→祈りとずっとアングリカン・チャントが続くのだ。同じ高さの和音がずっと続くなかでフレーズの要所だけ敏妙に音が上がり下がりするこの唱法は、不思議な魅惑をたたえている。

晩禱が進むにつれて日が傾き、礼拝堂の中も夕べの祈りにふさわしい雰囲気になってくるが、しめくくりに指定されていた聖歌は「日暮れて四方(よも)は暗く」というタイトルで、資料には「晩禱の定番聖歌である。」と書かれている。冒頭の「たえにうるわしや」は初めて聞く歌だったが、「日暮れて四方は暗く」ってどんな歌なのだろう…と思いながら聴衆とともに起立し、オルガンの前奏を聞くと、ああこれは「Abide With Me」ではないか。これなら俺も歌えるぞ。日本語の歌詞があるのか…と歌いはじめると、驚いたことに、聴衆がみな大きな声で歌っている。
あぁぁぁ失礼しました。きょうの聴衆の大半は聖公会の信者さんだったのですね。パイプオルガンの伴奏で聖歌隊とともに心おきなく大声で「Abide With Me」を歌うことができる幸せ。そのまま鼻歌で歌いつづけながら家路につく。
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 4

和声

なかなか面白い講義だったようですね。私はドイツの古い教会音楽は歌っていますが、イギリスの教会音楽はあまり歌う機会がありません。
アングリカン・チャントというのも歌ってみたいですね。

by 和声 (2014-01-24 00:21) 

やぶ

和声さん、こんにちは&コメントありがとうございます。

イギリスの教会音楽って、ヘンデルの合唱曲をイメージしていただければよいと思うのですが、礼拝の部分で出てくるアングリカン・チャントは、歌というより朗誦というかご詠歌というか、不思議な趣がありますね。和声さんのような専門家が聴けば、私のような素人にも解説していただけると思うので、そんな機会があればと願っています。
by やぶ (2014-01-26 12:42) 

和声

ヘンデルのメサイアは先日歌いましたが、おそらくそれより古い形の歌をお聴きになったのでしょうね。今、シュッツの葬式の歌を今、歌っていますが、グレゴリアン・チャントが形式通りあって、それに続き合唱が入ります。やはり雰囲気はありますね。
先日の書き込みは24日だったのですね。実はその日私の弟が亡くなりました。ホスピスに入ってはいたのですが、書き込んだ時点ではまだそこまでの事を考えてもいませんでした。もう一週間というか、正直まだ一週間しか経っていないのかと感じました。
ホスピスは救世軍の病院で、チャペルもありました。
ホスピスの発祥はイギリスだそうですが、亡くなったあとの見送りは職員総出で感激しました。年は若くても幸せな最期だったと思います。

by 和声 (2014-01-31 22:51) 

やぶ

和声さん、おはようございます&コメントありがとうございます。

人生のどんなときにも音楽があることは、私たちにとってありがたいことですね。東方正教会の音楽などを聞くと、人間はいつごろから音楽とともに生きてきたのか、と考えます。
by やぶ (2014-02-11 09:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0