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エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』(小川高義訳、ハヤカワepi文庫) [本と雑誌]

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初めて読む作者なのだけれど、こういう心理描写があるのですね。見た目には大した事件も起こらないメイン州の田舎町の、1人の女性の周囲にこのような善意・悪意・怒り・嫉妬・愛情・無関心etc.が渦巻いている。それらの一つ一つが、いかにも納得させられるものでもある。読み進めるうちに、この女性(だけ)が特異なのではなく、どんな人の周囲にも、程度の差はあれ同様のことがあるのではと感じさせる。

繊細なようでもあり無神経のようでもあり、臆病にも傲慢にも受けとれるように描かれているため、単純な共感とか反発ができないところは、ちょっと三浦しをんに通じるものがあるかもしれない。

また、こういう作品を高く評価する(ピューリッツァー賞)アメリカのフトコロの深さも同時に感じさせる。日本語では他に『バージェス家の出来事』と『私の名前はルーシー・バートン』の2作品(いずれも小川高義訳、早川書房)しか読めないのが残念。

 


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