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第113回深夜句会(10/26) [俳句]

急に寒くなったり暑くなったりする毎日。秋の句と冬の句が混在していても全然違和感なし。

(選句用紙から)

赤子ゐる車両ことこと秋日和

「電車」でなく「車両」というと、列車全体のなかのある一両、という意味になるので(その前に、バスやタクシーやリヤカーも「車両」なのだけど、ここはまず電車の話ととった)、前後にほかの車両がいるかもしれないし、いないかもしれないが、その一両のどこかに、ベビーカーかだっこ紐かで親に連れられて、赤ん坊がひとり乗り合わせている。赤子が目覚めているのか眠っているのかはわからないが、電車はことことと音を立てながら進んでいく。窓を通じて赤子にも日差しがふりそそぎ、さらにその電車全体にも、外側から見れば秋の日差しがあたっているであろう、という多幸感にあふれた一句。「ことこと」が気になるといえば気になるが、許容範囲か。

蓑虫の糸ひとすぢにしたたかに

季題「蓑虫」で秋。虚子に「蓑虫の父よと鳴きて母も無し」の句があるが、その姿が哀れを誘う虫でもある(こどもの悪戯のターゲットになりやすい虫だが、最近あまり見かける機会がないのはどうしたことか)。しかしこの句に出てくる蓑虫は、同じように糸をひいてぶら下がってはいるが、作者には「したたかに」守りを固めているように見える。これもまた、観察から得られる着想であって、お約束に陥らないために必要なことだと思う。「ひとすじにしたたかに」のたたみ掛けも巧み。

(句帳から)

秋の暮自転車が過ぎ影が過ぎ
グランドのこちら側だけ秋の霜
校舎の裏講堂の裏刈田かな

 
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