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番町句会(2/8) [俳句]

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きょうのお題は「春時雨」。
「時雨」とも「秋時雨」とも違う「春時雨」をどう詠むか考えどころ。

(選句用紙から)

たてもの園宿根草園日脚伸ぶ

季題「日脚伸ぶ」で冬(晩冬)。
大きな公園のような場所で、その一角に「たてもの園」(古民家などを移設したのであろうか)があり、また別の一角には「宿根草園」がある。それに出入りしながら移り歩いていると、ひと月前ならもう暗くなっているような時間になっても、まだ明るくて、もう少し園内を歩くことができる。
この句の眼目…というか狙いはちょっと普通でなくて、「たてもの園」と「宿根草園」という、MECEでないものをわざとぶつけてくるところにある。本当は「たてもの園」の横に「建物附属設備園」とか「構築物園」とか…は冗談、まあ「のりもの園」とか、建物と並列できる程度「〇〇園」もあるのだと思うけど、全然そうでないものを並べて、その気持ち悪さを楽しむ(そういう場所が実際にありそうなだけに)という一句。同様に、「一年草園」「宿根草園」とかなら、まあどこかの植物園なんでしょう、で終わりなのだけど、わざと外すわけですね。

スカールの戻つてきたる春時雨

季題「春時雨」。スカールは「シングルスカル」とか「ダブルスカル」などと呼ばれる競技用のボートで、乾舷が小さく、静かな水面でないと漕げないから、湖とか川、たとえば瀬田川なんかが想像される。見え隠れするほど濃密に降り注ぐわけではないのだけど、降っては止んでの中を、雨に濡れたスカール(漕ぎ手も濡れている)が艇庫に戻ってきた。

春の風邪薬がはりの一二冊

「風邪」は冬の季題だが、ここでは「春の風邪」なので、その気分を描いた句になっているかを考えると、薬を飲むでもなく、文庫本を一二冊携えてソファーで楽にしていよう、という程度の風邪なのだろう。「薬がはりの一二冊」がいいですね。どんな本なのか。古典なんかが連想されるのだけど。


(句帳から)

駅前に本屋と飲み屋春時雨
焼菓子のにほひ流れて日脚伸ぶ
あらかじめ間引き運転春の雪

  
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